cancheerの考え方
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世界の100人に選ばれた小泉首相の実績

日付

2006.05.11

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小泉さんの人気はすごい。僕だってかろうじて支持しています。政治家には国民的な人気が必要だと思いますし、リーダーシップを感じるような言動、そして、身の回りの清潔さなどは重要です。僕はついつい、企業のリーダーというイメージで彼を見てしまうのですが、彼の資質は、とても参考になります。

 

ただ、彼が総理になる前、僕が好んで見る政治討論番組では、彼の話を聞くたびに、「中身がない人(みたい)だなあ」と感じていました。適当に言葉をつくろい、誰もが反対できないフレーズをぽつりと言うだけ。とても議論にはならない・・と、ある意味、別の意味で興味を持ったのが印象的です。そんな彼も、戦後の日本を代表する、いや、時代の節目に相応しいリーダーシップを発揮し、彼の最後のラストスパートに入ろうとしています。あのタイム誌が、世界にもっとも影響を与える100人として、小泉純一郎の名前を挙げたのも、うなずけないではありません。

 

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JUNICHIRO KOIZUMI
The most interesting thing about Junichiro Koizumi is that he is interesting. Most Japanese Prime Ministers have been dull figures, more suited to backroom politicking than to courting public appeal. Koizumi, 64, has used the mass media, especially television, to project an image of a good-looking, straight-talking maverick. Like all media stars, he has cultivated a style that people can recognize. Admirers call him Lionheart for his flamboyant hairdo as well as his promise to change how things are done. And he may be the first Japanese politician to combine loves of Elvis Presley and Richard Wagner.
(TIME、Apr. 30, 2006)

小泉政権と言えば、「改革政権」の印象がつきまといますが、実際には、不良債権処理をやり遂げた点だけなのではないでしょうか。郵政民営化法案を通したことは極めて評価したいのですが、それを真の改革にするか否か、小泉さんは責任をもつつもりがありません。その他、年金改革は暫定的な応急措置でしたし、中国・韓国・北朝鮮との関係は、就任前以上に悪化し、混乱を招きました。他方、対米追随は単純化され、逆に財政負担ばかりが増えそうです。また、「小さな政府」への歩みも、改革ではなく、単なる経費の微節減に終わりそうです。つまり、彼が改革したのは、日本ではなく、自民党の組織だったわけですね。与党を刷新するのは重要なことですが、その他は、あまりに中途半端だったような気がします。

 

タイム誌も次のように書いています。“even though he managed to get a bill passed to privatize the postal system, most of his promised reforms have yet to bear fruit.”・・要は、彼の公約のほとんどは、今のところまだ成果にはつながっていない・・確かに、時間がかかるのは仕方ないですが、抜本改革にまでは着手すらできなかったようです。・・とは言え、彼の成果と考えていいものはもちろんたくさんあり、《偏向マスコミは報道しない小泉政権の成果》は参考になりました。僕が一番興味をもっているのは、「小さな政府」論争です。小泉改革のシンボルにもなった言葉ですね。財政問題を解決するためには、無駄な支出を抑え、効率性を高めなければなりません。民間や地方に任せていくことで無駄が減らせるという理屈はごもっともです。

 

「小泉改革5年を問う」 第1回「“改革”は何をもたらしているか」
 小泉政権の発足から5年、いま日本の政治は大きな岐路に立っている。戦後、一時期を除いて政権党であり続けた自民党は、いわゆる「55年体制」のもとで「国土の均衡ある発展」を合言葉に、右肩上がりの経済が生み出す富を地方に再配分する仕組みを築き、地方に強固な支持基盤を作り上げてきた。しかし、「聖域なき構造改革」を掲げた小泉総理大臣はトップダウン型の政策決定を行い、これまでの政治の仕組みを壊そうとしている。財政赤字が膨らむ中で地方分配型の政治を続けていくことはできないとして公共事業の削減、補助金や地方交付税の見直しなどを次々と打ち出してきた。その結果、これまでの政治家の役割や国と地方の関係は大きく変わろうとしている。
 一方で、都市と地方の格差や所得格差の広がりなど小泉改革の「光と影」が指摘され始め、国民の間でもその評価が二分している。“改革”をこのまま続けていくのか。国づくりの設計図をどのように描いていくのか。日本の進路をめぐる問いかけは、この秋、“ポスト小泉”を選ぶ自民党の総裁選の大きな争点の一つである。そして、政権交代をめざす“二大政党”の一翼、民主党も回答を迫られる課題だ。 (NHKスペシャル、2006年05月14日放送)

 

今度、NHKスペシャルがあるので、ぜひ、小泉改革の5年を総括してみましょう。僕の見解は、「小さな政府」を本当に論じるんなら、国家公務員ごと、規模を縮小して地方政府に吸収させるか、郵便局のように民営化していかなければ、意味がないと考えています。権限と財源だけを渡すのではなく、人材も移動させるべきです。優秀な人々は、現場に近いところで、もっと活躍できるはずです。もし、一部の公務員が、従来のルールを持ち出して、「国家公務員」の身分に固執しようと言うなら、僕は逆にこう言いたいです。いつだって不安定な運命にさらされている国民が、一生、あなた方の安定を支えるために税金を払うのか、です。政治的な悪は、「よどみ」を作ってしまうことですから。

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ここまで進んだ小泉改革!
で、成果を検証してみましょう。

 

◆ 山口二郎先生の少し前の記事 「構造改革と政治」
“東京都と北海道で世論調査・・大きな政府派が多い”。・・面白いです。要は、政府が、やることをちゃんとやれば、できるはず、という世論のご意見なんですね。ということは、「小さな政府」とは、役人はバカで、そんなことを望むべくもないという考え方になります。

◆ ぬぬぬ? 「"小さな政府"のウソ、まやかし」
“小泉+竹中が目指すアメリカの悪いところだけの"コピー国家"は「新自由主義」”。・・「小さな政府」がもし、弱者には何もしないという政府なら、いっそのこと要りませんよね。その後の論評も、極めて痛快、明快。

◆ もじもじスケッチ 「私がなぜ小泉支持でいるのか」
“小泉首相をボロカス言ってるアンチほど・・理屈に合わないことを言ってるから。”。・・これは言えてる。何でもかんでも批判するつもりの人々の批判の仕方ほど、逆に不快に思えてきます。

◆ 徳島で働くとある公認会計士の本音 「真の財政改革」
“国民にとって不要な人材や不必要な名目の支出はすべて削減すべき”。・・確かに。高額な金銭面での保障がないと、いい人材が来ないという理由で設定されたみたいですが、明らかに事実誤認です。誰もいないんだったら、僕がやりますよと言いたい!え?「いい人材」じゃない?・・失礼しました。

 

 

Posted by cancheer 05:31 PM | 固定リンク
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真の財政改革とは
首長の退職金廃止を=小泉首相、自らも辞退??公務員人件費削減 小泉純一郎首相は27
「徳島で働くとある公認会計士の本音」のサイトから
Posted at 2006.05.12 00:43
小泉内閣の実績を評価する70%
「格差広がった」6割が指摘…小泉内閣5年で世論調査 読売新聞社の全国世論調査(面
「もじもじスケッチ」のサイトから
Posted at 2006.05.12 06:27
小泉内閣の実績を評価する70%
「格差広がった」6割が指摘…小泉内閣5年で世論調査 読売新聞社の全国世論調査(面
「もじもじスケッチ」のサイトから
Posted at 2006.05.12 06:31
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