cancheerの考え方
タイトル

プロ野球から草野球までデータ野球

日付

2006.05.29

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野球は統計のスポーツです。最近は、プロ野球でも統計のインフラ整備が進み、ネット上でスコアラーさながらのデータを参照することができます。野村監督(楽天)で有名になったデータ野球。開幕から二ヶ月経って、今年度の分析に必要な基礎データもそろってきたようです。




ロッテ・バレンタイン監督の例を出すまでもなく、昨今のプロ野球は、データ解析が不可欠になりつつあります。いつかの、どっかの監督みたいに、根性論だけで野球をやる時代は終わったのかもしれません。たまにナイター(プロ野球)を見て、誰でもできるようなコメントを繰り返す解説者の話を聞いていると、野球経験者じゃなくていいから野球データ解析のプロを呼んでくれないかなあと本気でそう思います。

 

今年、僕が興味をもって見ていたのは、出塁率で打順を決めたという広島のブラウン監督。話題を呼んだ「攻撃的」打順も、カープの低迷とともに断念。昨年の打順に戻して、何とか、挽回可能なゲーム差(今日の時点で首位と7.5)に留まりました。昨年の統計値だけで打順を組むとしたら、確かに、よく塁に出る人を一二番に、打点あるいは得点圏打率の高い人をクリーンナップに起用するのが無難でしょう。しかし、それだけのデータでは不十分です。たとえば、阪神の金本選手は三年前は三番を打ち、盗塁王の赤星をランナーに置いて、絶妙な「盗塁支援」や「つなぎ」をみせました。しかし、四番に転向すると本塁打を量産し、さらにすごい打者へと進化しました。どういう状況で打つのが本人にとって一番いいか、チーム事情も勘案して決める必要があります。

    
また、何と言っても相性は重要です。たとえば、相手投手の利き腕やタイプ、球場での好不調によって打者の成績はずいぶん変わります。僕のひいき球団である阪神では、藤本と関本、桧山とスペンサーなどを同じポジションで徹底的に使い分けています。もちろん、どちらかをずっとベンチに居座らせて腐らせないという配慮もあると思います。したがって、データ野球と言っても、できる限り詳細な統計値を参照すべきですし、かつ、今の統計ではなかなかカバーできない心理面での配慮も必要です。打者ばかりか、投手だって同様でしょう。

 

日本の各ポータルサイトやスポーツ紙サイトには、プロ野球データが詳細に掲載されています。しかし、この点で、アメリカには及びません。たとえば、Yahoo! MLBの、イチローのデータを見てみましょう。対戦投手ごとの詳細な成績から、ランナー、カウント、打順による成績、さらにはこれまでの生涯各年成績など。テレビの実況時にも使用できるデータ群です。



要は、野球というスポーツが、確率により左右されるスポーツだけに、統計による分析、あるいは統計を活用して勝負を制するという手法が必要になるのです。簡単に言えば「頭を使え」ということでしょうが、それは監督ばかりではありません。現役最年長投手の工藤(巨人)も、その著書で、トレーニングの仕方や投球の妙技、さらにはチームのまとめ方などに至るまで、考え方、やり方、などがあると語っています。スポーツとは、智恵の妙技を知れば知るほど面白くなる、そんなことを教えてもらいました。

 

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簡易スコアシートの『チームマネージャー』はネットで簡単に利用できます。

きっと、こうした智恵の使い方は草野球をやっている方々も同じだと思います。運動不足解消のための野球であろうが、九人ぎりぎりで選手起用どころでないチームでも、データの活用は、野球の醍醐味を本物にしてくれます。打順から、各場面での作戦に至るまで、野球は至るところでデータを活用できるスポーツです。しかも、チームを超えてデータを共有できるようになると、お互いに分析しながら戦うという智恵の勝負もすることができます。上記「チームマネージャー」とは僕の友人が開発したアプリケーションですが、ぜひ、ユーザーを増やしてもらいたいですね。データ収集が簡易に蓄積できれば、その応用はいくらでも可能です。将来、僕が草野球にデビューする頃には、僕の成績がイチローのように詳細に公開され、自分への励みになってほしいものです。楽しみです。最初の目標は地区の新人王(笑)。

 

◆ ブラウン采配を強引に解釈するブログ
“誤算だった一つは日本人が打順にこだわりすぎるところ”。・・合理的な考え方で合理的な結果が出ない、それが、人の「こだわり」という心理的な面なのでしょうか。

◆ 野球小僧ブログ 
“『プロ野球データスタジアム2006』発売!”。・・とてもユニークな野球マガジン『野球小僧』です。ときどき、立ち読みですませてしまいますが、やっぱり買って読まないと堪能できないほどの濃厚さです。

◆ だめ夫タ診断士の日記 「プロ野球でデータ解析を練習しよう」
“戦略を考えて事実を確認する作業が楽しい・・サッカーはてんでダメ”。・・こちらは逆に、データ解析を学ぶ方が野球を利用してみようというもの。いいですね、ホンモノで学ぶという発想。

◆ Q-turn Diary 『マネー・ボール』を読む
“野球はデータのスポーツだけど、メジャーリーグではここまで細かく調べている”。・・お薦め図書をご参考に。

 

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サンヨーオールスターゲームのファン投票に投票しよう!

 

Posted by cancheer 08:49 PM | 固定リンク
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