cancheerの考え方
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ポセイドン見て、おぼれ死にかける

日付

2006.06.04

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潔い。そんな言葉があてはまる映画でしょう。『ポセイドン』。パニック映画の最高峰であり、膨大な予算をかけただけのことはあると思います。過去の名作をリメイクしたために、どうしても比較されてしまうのですが、宣伝効果を勘案すればナイスな題材だったと思います。

 

ドイツ生まれでハリウッドに進出したペーターゼン(Wolfgang Petersen)監督。今作は、“Das Boot”(Uボート)、“The Perfect Storm”と並び、“water-based films”三部作(trilogy)の締めくくりと言われています。監督へのインタビュー(MOVIE WEB)では、彼の生い立ちから話をしてくれています。世界有数の港湾都市ハンブルクの出身で、いつも海を見ては、すざまじい自然の力を感じていたそうです。心地よい波の音、美しい海の輝き、こうした静かでおだやかな海は、ひとたび天候が悪化すると一変します。彼はそれを「モンスター」と表現していました。海岸に打ち寄せる波だけを見ても、晴天時とは違う、すさまじい破壊力を感じますよね。

 

INTERVIEW: Wolfgang Peterson Talks Directing Poseidon
Wolfgang Peterson: I must tell you I am very close to the sea, the water; it's my upbringing. I'm from Hamburg, Germany; it's very flat there, and a lot of ocean, and I grew up with that and it influenced me, obviously. When you're a little boy you go to the water and dream. You sit on the shore and you're fifteen and you have a lot of time to think and a lot of things to think about and there's a long, endless horizon with a lot of space where your thoughts can go. And the colors on the sea - it all has a very soothing, beautiful, calm, tranquility sometimes; it's just wonderful, I love that. And then always the turn, when the clouds are coming and the sea turns into a monster, and it crashes against the shore and it had unbelievable force of destruction. We're reminded again by the tsunami of what it can do; it's the biggest force of nature with the most destructive, frightening chaos and we all know what water can do. Somehow I thought when I got into storytelling that this element has always been with me as something dramatic.・・ (MOVIE WEB)

    


『ポセイドン』は早くも駄作との評価が圧倒的です。リメイクのもとになった33年前の『ポセイドン・アドベンチャー』の監督、ロナルド・ニーム(Ronald Neame)のもとに、BBCがインタビューに行っています。もう95歳というニーム氏も、やや渋い評価です。「最初の20分はすごいと思ったんじゃが・・」と映像制作技術には感心していますが、逆に、キャラクター表現という観点ではわずか10分だったそうです。それ以降は全然ダメ。総括的に言えば、「ハードウェア(映像技術)はすごいが、ソフトウェア(登場人物のキャラクターやストーリー展開)はひどい」、となるようです。

 

Poseidon director judges remake
In Neame's opinion, Petersen is "a top-notch director - I admire all that he has done very, very much."・・"I was absolutely convinced he would make ours look like a whole lot of codswallop," he laughs. "For the first 20 minutes I thought, 'Oh boy, this is so much better than ours."

However, Neame's enthusiasm for the opening of the movie was tempered by his disappointment at the way the story unravelled. "For the first 10 minutes I thought, 'This is great because they are developing characters.' "But after the ship turned over, they didn't bother to go on developing those characters. ( BBC News, Los Angeles 12 May 2006)

 

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個人的な感想としては、「潔い」映画でとっても面白かったです。登場人物も話の展開も、津波が起こった理由など含め、所詮はどうでもよくてバッサリとカット。とにかく、限られた時間の中に、災害時のあらゆる緊張感を詰め込んだのです。確かに娯楽作品としては、壮絶なシーンがアクセントのように埋め込まれているほうが効果的でしょう。しかし、今作は、これでもかこれでもかと、リアリティのある怖さを疑似体験させてくれます。いいとか、悪いとか、格好いいとか悪いなどという人間模様を描いている場合ではありません。大災害の渦中にいれば、きっと、悲しい現実は何度も襲ってくるはずです。さすがに、あの、おぼれ死にしそうになる瞬間は、僕まで何度も息をとめてしまい窒息しそうでした。隣にいた僕の妻は、大量の水に、「おしっこ・・」と言って途中出ていきました(笑)。

 

▼ 映画 DVDレビューの色即是空日記+α
“気持ちいいくらいにパニック映画・・人物の背後関係も津波のわけも ばっさりと斬捨御免”。・・酷評映画を誉めたたえるご意見には賛同。この映画も酷評の中に沈んでいい〜と監督は宣言するかのような思い切りの良さでした。あっぱれ!
▼ 【待宵夜話】++徒然夢想++
“「こわーい! すごーい! どうしよー! ぎゃー!」でも、それだけだなぁ”。・・多分、これが一般の反応だと思います。納得。
▼ LaoYeのひとりごと、「この作品、言わずと知れたリメイク」
“はっきり申し上げて、この作品、どこをとってもオリジナル版にはかなわない”。・・元の作品は、僕の生まれた年です。30年以上経て、「かなわない」のではツライですね。
▼ Rohi-ta_site.com 映画(ネタバレ有り!)
“名作をリメイクして、見事な駄作を作ってしまったなぁ〜”。・・「ちなみに、この子役のジミー・ベネット君は・・」という豆情報あり。気付かなかった。

 

 

 

Posted by cancheer 02:47 PM | 固定リンク
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