cancheerの考え方
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水時計−時を刻む水の滴

日付

2006.06.18

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身近にあるモノの、その歴史を紐解き、珍しいなあと思うものについて書きためてみようと思いました。ただし、いわゆるベータ版ですので、ご容赦ください。一回目は、神秘的な機械装置、時計から取り上げてみます。

 

時計とは、不思議な機械です。振り子から始まった時計は、17世紀にほぼ現在の形となり、精密機械の典型として歴史を重ねてきました。現在はクオーツ時計が主流となり、電気エネルギーをもとに、針が時を伝えてくれます。

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もっとも、大昔、正確に時を刻む機械は、必要とされませんでした。確かに、日が昇れば目を覚まし、日が沈めば家に入ればいい暮らしの中で、時計とはさしたる役割を果たさなかったことでしょう。時を計る仕組みと言えば「日時計」が最初になりますが、中央に設置した棒の影を追い、日中の時刻を概略、把握していたにすぎません。

 



しかし、そんな時計の必要性が半信半疑の大昔でも、時を刻む複雑な機械が造られていました。「漏刻」です。中国や日本で盛んに作られたそうですが、「水時計」のことを指します。基本的な原理はとても簡単で、水が流れた一定量でもって、過ぎた時間を計測します。現在、国内では色々な場所で、再現された「漏刻」を見ることができます。

 

 

◆ 飛鳥の水時計 「漏刻」
・・天智天皇時代に始まったとの記録があります
◆ 「中国風格」 - 古代東方科技文明的起源 <中国語>
・・「漏刻」とは「古代」の「一種計時工具」です
◆ エジプトで発明された「世界最古」の水時計 <英語>
・・The earliest mechanical clocks containing movable parts were built about 700 years ago

漏刻 - 中国风格在线
 漏刻是古代的一种计时工具,不仅古代中国用,而且古埃及、古巴比伦等文明古国都使用过。漏是指计时用的漏壶,刻是指划分一天的时间单位,它通过漏壶的浮箭来计量一昼夜的时刻。最初,人们发现陶器中的水会从裂缝中一滴一滴地漏出来,于是专门制造出一种留有小孔的漏壶,把水注入漏壶内,水便从壶孔中流出来,另外再用一个容器收集漏下来的水,在这个容器内有一根刻有标记的箭杆,相当于现代钟表上显示时刻的钟面,用一个竹片或木块托着箭杆浮在水面上,容器盖的中心开一个小孔,箭杆从盖孔中穿出,这个容器叫做"箭壶"。
 ・・现存于北京故宫博物院的铜壶漏刻是公元1745年制造的,最上面漏壶的水从雕刻精致的龙口流出,依次流向下壶,箭壶盖上有个铜人仿佛报着箭杆,箭杆上刻有96格,每格为15分钟,人们根据铜人手握箭杆处的标志来报告时间。

「漏刻」は古代中国、エジプト、バビロンでも使われました。バケツから一滴一滴漏れてくる時間を計測したのです。北京の故宮博物館では1745年に造られたものがあるそうです。

 

さて、水時計の仕組みを詳しく紹介してくれているサイトは、こちら。“Clockworks”という時計に関する特設サイトです。図解が充実していて、あの “clepsydra”−百科事典の【 BRITANICA 】が提供 してくれました。
   ◆ 最初のページは、その仕組みの全体像です(GO)
   ◆ 次のページでは、かわいい「針」が動いていますね(GO)

Clepsydra (at least 15th century BC, probably earlier)
 The drip-drip of a clepsydra was an ancient precursor of the tick-tock of modern clocks. Clepsydras were water clocks that relied on a steadily rising or falling water level in a container to indicate the elapse of predetermined periods of time. Unlike sundials, clepsydras worked in cloudy weather and in the dark. But, as with many sundials, a clepsydra's hours varied according to seasonal changes in the period of daylight, with longer hours during summer days and winter nights.
・・Spacing between the lines on the drum varies to represent seasonal changes in hour length. When the float tank emptied automatically at midnight each day, the water running out of the tank through a siphon turned a wheel that set the drum's position correctly for the new day.

ポタッ、ポタッと、一定量の水が流れる“clepsydra”は、チックタックと鳴る近代的な時計の原型になった仕組みです。水が流れ落ちて貯まった容器では、「針」にあたるモノが浮かんでいます。針は、その前にある目盛りを指しています。季節によって、水量が異なるのであれば、目盛りの間隔を季節ごとに調整しておくこともできます。こうすれば、季節に左右されず時を知ることができます。 (Britannica.com Inc. and Encyclopædia Britannica, Inc.)

 

そして最後に、僕のお気に入りの水時計をご紹介しておきます。

◆ 諏訪湖「時の科学館」世界で初めて復元した水運儀象台
・・1087年から1092年にかけて30年ほど動いていたものを復元
◆ TOKEI ZANMAI-時計三昧-  「水運儀象台」
・・下諏訪の儀象堂にある水力で動く大きな時計で、高さは11m
◆ 900年後によみがえった中世中国の超複雑時計(日経BP)
・・まさか900年近くも前に、これほど複雑かつ精巧な時計を

 

中国北宋時代の設計書をもとに復元された巨大な天文時計です。水で動いているのですが、天体観測の仕組みも備えている優れものです。千年も前の機械とはとても信じられません。モノ作りの魂は、時計という仕組みを通して、始まったとも言えるのかもしれません。

日本で復元されたのがうれしい限りです。

    

 

Posted by cancheer 11:19 AM | 固定リンク
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Posted at 2006.08.13 21:37
COMMENT

かなたさん、いつもどうも。

じゃあ、砂時計について、書いてもらえませんか。結構、不思議ですよ。あの仕組み。楽しみにしてます(笑)。

Posted by: cancheer: June 23, 2006 12:25 AM

さっそく時計の話題とは、すばらしい。
私は、どちらかというと水時計よりも砂時計の方が好きです。水時計は権力の象徴のような感じがしますし、なんと言っても作りが簡単なものほど奥が深い。
最近それで悩まされているのですが。(^^


Posted by: かなた: June 19, 2006 11:55 PM
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