cancheerの考え方
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Polar Expressのチケットは持った?

日付

2005.12.24

昨年、『Polar Express』が公開中の頃に、僕はたまたまアメリカにいました。イブの日も含めれば、スクリーンの前に座ったのは五回になります。現地では、“Polar-boy”などと呆れられたものでした。今年、この季節を前に、ようやく同作品のDVDが発売され、僕の中ではすっかり盛り上がっています。なぜこうも、僕の心をとらえたのでしょうか。


事件・ニュースから、映画・雑誌・洋書のガイダンスまで。


   


ひとつには、クリスマスが、僕の大好きなイベントだからなのでしょう。でも、それ以上に僕の心をクレイジーにさせたのは、この映画で出会ったひとつの言葉にあったのだと思います。ポーラーエクスプレス号の車掌が、主人公の少年に宛てた、別れの言葉でした。


“One thing about trains, it doesn't matter where they're going, what matters is deciding to get on. ”
「ひとつ、(列車について)いいかな。どこに向かうかなんて重要じゃないんだ。重要だったのは、乗ろうと決断できたことさ。」―車掌

念のためストーリーを確認しておきますと、事件はクリスマスイブの真夜中、雪が家の周りをすべて静けさに閉ざした中で起こりました。寝床でサンタへの思いを断ち切れずにいた少年の耳に、何と、列車のやってくる音が聞こえたのです。


“He used to try to stay up all night waiting for Santa.” “I have a feeling those days are over.”
「彼(主人公)は、かつて、夜通しサンタを待って起きていたものだわ」 ―母。
「もう、そんな時期(年頃)は終わったんだよ」 ―父。

The entire room began to rumble・・Flash! A blinding light pulsed through the window as a deafening roar thundered from down the street.・・A huge, boiling cloud of steam hung in the center of the street. Behind the steam could flickered strange yellow squares of light, like windows flashing past.
部屋全体がガタガタと揺れ始めました・・光だ!まばゆい閃光が窓の外から次々とやってきたかと思うと、耳をつんざくような音が通りから響いてきた・・蒸気が通り一面に立ち込め、その向こうにチラチラッとのぞく黄色の光が、どうやら窓の明かりのようだ。

(以下、引用元は映画用の脚本小説となった“Trip to the North Pole”より。)


真っ白な雪景色が、列車の灯りで幻想的に浮かび上がります。慌てて表に飛び出した少年は、その車掌らしき人物に声をかけられます。


“All aboard! Well, you coming? ・・Why?, the North Pole, of course. This is the Polar Express.”
「まもなく発車だよ(乗車の方は急いで!)。君は乗るのかい?あ・・、北極だよ、もちろん。これが、ポーラーエクスプレスなんだからね。」 ―車掌。

“It seems this is your crucial year. If I were you, I'd think about getting on board.・・I'm on a schedule, ya know.・・Suit yourself.”
「どうやら今年が、君にとっての分かれ目になりそうだ。私が君なら、乗ろうと思うけどなあ・・おっと、時間だ。・・好きにしなさい。」 ―車掌。



この立て続けに起こる不可解な出来事に、主人公の少年は戸惑いを隠せません。それでも運命は、今すぐの決断を迫りました。なぜなら、彼がずっと信じてきたサンタに会いに行けるという千載一遇のチャンスだったのです。皆さんなら乗ろうと決断できるでしょうか。この映画のすべてのポイントは、この冒頭のシーンでした。



僕はもともとこの映画も、原作のこともまったく知りませんでした。一度、バス亭にあった広告を見て、銀河鉄道のお話のアメリカ版だと勝手に思い込んでいました。そして、たまたま通りがかった映画館で暇つぶしに入ったとき、タイミングよく始まる作品が、この『ポーラーエクスプレス』だったのです。





この映画は、全編を通して、「信じる」(Believe)ことの意味や大切さを考えさせてくれます。そもそも信じるって何なのでしょう。さすがに、四回目や五回目にこの作品を見ていたときには、映画の各場面でそんなことばかりを考えていました。



“Christmas may not be important to some people, but it is very important to most of us.” “Sometimes, seeing is believing. And sometimes, the most real things in the world are the things we can't see.”
「クリスマスは重要じゃないかもしれない、一部の人には。でも私たちの多くにとってはとても大切なんだ。」 「時々、見えるものが信じられることだ。でも、時には一番重要なことなんかが、見えないものだったりすんだよ。」―いずれも車掌。


この車掌のセリフが出てくる頃、ポーラーエクスプレス号は、北極の近くまで差しかかっていました。一面が雪と氷の世界に閉ざされる中、遠くに町明かりが見えてきます。少年にとって、夢にまで見たサンタの町が、現実のものとして視界に飛び込んできたのです。


一度は、失いかけていた夢への熱き思いが、最後の最後で、再び灯り直したようです。しかし、彼は、北極の市街地に着いても、心のどこかに信じきれていない自分がいることに気付きます。そのせいか、彼の耳には、何も聞こえてきません。これが、物語後半の山場になります。




「信じる力」って、僕は実在するものだと考えています。火事場のクソ力(ばか力?)なんて言われますが、これも筋肉の仕組みとして、現実に存在しましたよね。それと同じように、土壇場の集中力を引き出してくれるのは、この「信じる力」なんだと思います。よく、プロのスポーツ選手が「気持ちで負けない」などと言いますが、それも同じこと。


だから、僕は、他の誰より自分を信じてあげたいし、自分自身の期待に裏切らないよう努力を続けたいと考えています。きれいごとに聞こえるかもしれないけど、宗教観のない日本人、いや僕にとって、神様にすがることも、期待することもできないって考えちゃいますから、必然的に、自分しか残らないんですね〜。




冒頭の車掌の言葉に戻りますが、サンタクロースを信じるかどうか(どこへ行くか)が大切なのではなく、信じることでの決断ができるかどうか(乗ると決断できるか)が、僕にとっても重要なのだと思います。たった一度でも、信じてよかったという体験をもっている人間は、きっとどんな場面でも強くなれるはずです。そう信じて、もう一回だけ、今晩、この映画見よッ!(累計10回目・・気○い)(*^-'*)>


皆さんは、心の準備、急行のチケットはお持ちですか。



▼一年前の作品なんですけど、「古さ」を感じさせないのがすごいですね。

「ポーラーエクスプレスがテーマのクリスマスパーティ」(かわいい子供たち)
「あ〜 もう 私には聞こえないんだなぁ・・・ と悲しくなった」(鈴の音のこと)
「息子はこの時季、とってもいい子になる」(かわいい♪)
「自分の子供のときに、こんな映画を観てたら、どう思っていたんだろ」ξ\(^。^ )
劇中歌の“When Christmas Comes To Town”、和訳つき。(頑張った!)
「いつまでもサンタを信じてくれる子がいますように、みたいなww」(本当ですね)
「下手なディズーニー映画よりも安心して子供に見せられる」(賛成!)
「いつDVDでるのかな〜とずっと待ってました。待つこと1年」(待ち疲れた)
「忘れていた何かを思い出せる作品」(いまだ忘れない・・僕)
「サンタみえないよぉ〜まだ鈴の音も聞こえないよぉ〜」(主人公の悩みでした)
「微妙な色使いで原作の絵本のイメージを見事に映像化」(DVDコレクターさん)
「子供が可愛くない!キモい!・・トム・ハンクスそのまんま!」(`∇´)
「人が普通に演じられるのになんでCGにするのかが不明」(Hahaha!、確かに)



Posted by cancheer 10:27 AM | 固定リンク
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メリークリスマス ―世界的なお祝いを前にして、こちら『世界、ちょいびき!』に新しいコーナーが誕生!あんまり関係性はないですね・・(^^;)。今年は、どう過ごされますか。私は去年、大好きな『ポーラーエクスプレス』という映画をひとり寂しく堪能して...
「Vocabulary 覚えて試すボキャビル-Scanworld-ホンモノで学ぶ、英語を学ぶきっかけ探し」のサイトから
Posted at 2005.12.24 08:37
ポーラー・エクスプレス
『THE POLAR EXPRESS』   ↑日本版ジャケット(2枚組特別版スリーブ・ケース仕様) ↑UK版ジャケット 【STORY】 クリスマス・イブの夜にあらわれる謎の機関車「ポーラー・エクスプレス」に
「Cinematic life■」のサイトから
Posted at 2005.12.24 17:43
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