cancheerの考え方
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<07>その価値に気付いた瞬間

日付

2005.09.14

今日、返品しないと間に合わない。僕は自分の独断で買った「クイックショナリー」をマジマジと眺めました。妻の言う通り、やせ我慢をするのに、3万円はつらい。また、ネットを探し回っても、この商品の使い方を工夫したという掲示板の情報は皆無でした。


この連載がお届けするのは、行き詰まりかけた事業
ペンスタイル辞書の復活をかけた実話です。 (^^;)



僕自身は、もうすぐアメリカに渡る予定がありました。きっと現地では何もかもが英語です。いちいち辞書を調べる気にもならないでしょう。

当時、市販の電子辞書としては、すぐに電源が入る機能と、アルファベットをひとつずつ入力するごとに候補の単語が表示される機能とが話題になっていました。僕自身もこれが精一杯だろうと考えていたので、問題は、果たしてこの機能が加わっただけで、僕がその電子辞書を何度も使う気になるかどうかという点でした。




言葉を学ぶときの僕の信じるところは、地道に辞書を引いて、単語や表現を身に着けていく方法でした。世の中には、多読や聞き流しという方法があり、僕はこれらも高く評価しています。しかし、これはあくまで英語に慣れるトレーニングが目的であって、コミュニケーションに必要な単語や表現力を増やしてくれるわけではありません。その可能性を、ペン型電子辞書に求めた僕の決断は甘かったのでしょうか。


あきらめかけていた僕は、最後の気力をふりしぼり、表に書き出そうとしました。整理すると、新しい視点が見えてくるときもあります。

ヨシッ。

最初に左の蘭を現状認識(使用上の注意)として埋め、次に、右の蘭で自分なりの新しいアイデアを書き出しました。

使用上の注意今回試した方法
英語の語順になぞる【左→右】逆になぞってみる【右→左】
ペンの角度は立てるペンは多少寝かせる
一行が引ける単語・熟語単位で引く
きちっと引いて〜止めるなぞってもすぐ画面は見ない


僕のアイデアは、自分の本来のニーズである、“スピードを上げて読む”ことに特化させたものです。


1. 真っ直ぐになぞれていない

調べたい単語にぶつかると、通常は左から右に向かって引きます。そのとき、よくやらかした失敗は、サッとなぞろうと焦って、真っ直ぐなぞれていないことでした。なぜなら、文章が、ペン先と自分の右手の影に隠れてしまい、本当に真っ直ぐなぞれているかどうかよく見えていなかったのです。

逆からなぞったらどうなるだろう。すると・・・、そうです。
この商品は実は、右から左になぞることも可能だったのです。しかも、お〜お〜、何と、なぞろうとする文字をペンの先にはっきり確認することができました。逆からなぞるから、目で確認して真っ直ぐに引ける。しかもしかも。右手を後ろに引くより、前に押し出すほうが簡単でした。


2. 慎重になりすぎている

また、通常、この商品はペン全体を立てたほうが正しくスキャンできます。しかし、速く引こうと思うと、やや寝かせたほうがいいことに気付きました。実際、やってみるとちゃんと認識してくれます。そして、辞書のすべりもいくらか速くなったのです。


3. 商品のうたい文句に踊らされて

この商品には、「一行まるごと引けて翻訳を表示」とのキャッチフレーズがあります。これで売上は伸びるのですが、実際に使用された方は面食らってしまいます。たとえ一行を丸ごと認識できても、訳出しは単語・熟語単位です。読み取った文中の単語を、ひとつずつハイライトさせながら見ていきます。これだと、個々の意味を検索している時間を待たされることになります。僕は、単語や熟語レベルに割り切って、次々となぞりました。これのほうが断然速いのです。


4. 片手でなぞり続けられる理由

この商品の最大のメリットは片手だけで操作ができることです。しかも、一度なぞって意味を表示させた後も、そのままなぞるだけで次の検索ができます。僕がこの商品を使うときは、この特長を活かし、英文から目をほとんど離さないようにしています。


たとえば、英文を読んでいて分からない単語に出くわします。辞書でサッとなぞるときも、僕は、英文を読み続けます。すると、辞書が単語を検索し、見つかれば読み上げてくれます。そのとき初めてチラリと画面を見ればいいのです。つまり、英文からはほとんど目を離さず、「サッとなぞってチョイと見る」を繰り返したのです。すると、ページ全体の英文記事を読むのに集中力が途切れることなく、いつもの半分以下の時間で読み終わりました。内容も、きんと理解できていたのです。

なるほど。

きっとこの商品の開発者は、スピードを上げることに特化した工夫を考えて、今の仕様になったに違いありません。だから速く(クイック)引ける辞書(ディクショナリー)として、「クイックショナリー」なのです。ところが、日本で販売するとき、「なかなかうまく使えない」という苦情が相次ぎ、この商品の苦情をなくすことばかりに神経をすり減らしてしまったのが、今の商品説明方法に反映されているようです。


僕には手応えがありました。
こいつは素晴らしい・・・。
妻の冷たい視線(無言の圧力)がない中での、初めての感嘆でした。




「コングラチュレーションズ」



何ともいいタイミングで、この商品が祝辞を述べてくれました。
いやいや、正確に言えば、僕がなぞった言葉が、たまたま“congratulations”だっただけのことでした(笑)。


この商品のことを書いてくださっている方の記事がありました。この商品は、今まで口コミやウェブコミにつながりませんでした。その理由も、この物語の中で説明していきたいと思います。





 

Posted by cancheer 03:19 PM | 固定リンク
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