cancheerの考え方
タイトル

見つけちゃった中国式離婚に大興奮

日付

2006.03.01


十年ぶりの上海に至った一番の目的。それは、本やDVDを買いあさることでした。わずかな時間での書店めぐりでしたが、福州路にある巨大書店「上海書城」を再訪したときには、三日くらい泊り込んで居座りたいと思うほどの規模です。ところが、DVDに関しては、最上階の特設コーナーですら、お目当てのものが見つかりませんでした。

 

「世界の空」カテゴリーでは、米国を除く世界をご案内。
メインは「新旧」と「資共」が奇妙に同居する中国です。


歴史ドキュメンタリーや、洋画などはすでに何本も買っていましたが、現代中国の生活をリアルに描き出したような作品を探すのは大変でした。同じ棚を何度もめぐりながら、見落としがないかまで確認しましたが、結局見つかりません。それもそのはず、中国ではまだDVDが普及しておらず、絶対的なタイトル数が不足しているのです。むしろ、街頭での海賊版を当てにしたほうが、充実しています。


その代わり、VCDの普及はすごいですね。東南アジアを中心にもっとも広まった形式で、映像が収録されたCDと理解すればいいでしょうか。これでも、僕らのパソコンで再生することは可能ですが、どうせならDVDのほうがいいと思いました。結局、閉店で追い出されてしまいました。



あ〜あ、残念だったと空港に戻った最終日、ラッキーなことに、出国手続きを経た後の港内書店で、充実したDVD売場がありました。お〜お、と探すこと10分。めぐりあったのが、『中国式離婚』というタイトルのDVDボックスでした。なんじゃこりゃ?表紙には、僕がNHK『大地の子』でとってもお気に入りだった蒋{雨文}麗の写真が・・。{雨文}とは、日本語の中にこの漢字が見つからないため、このように表記します。実際には、雨の字の下に文を書くんですね。中国残留孤児役を見事に演じた上川隆也がスター俳優に飛躍することになったこの作品では、妻役だった蒋姉さんがとても献身的で、感動を誘ったものです。今や大スターの彼女が、主役に起用されたのが『中国式離婚』です。


タイトルからしても社会派ドラマの様相を感じさせるこの作品は「買い」だと、ただちに決断。両替するつもりだった人民元を出し切ってもまだ足りず、残りをクレジットカードで清算してもらいました。きっと、市価よりはるかに高い価格で買ったことになると思います。



さて、この作品は、実は中国通の間では二年前からすでに有名になっていまして、Yahoo!の新語辞典にも収録されているほど。もしかしたら、知らなかったのは僕くらいでは、と思うくらい(涙)。


中国で人気をよんだテレビドラマのタイトル。2004年秋に中国中央テレビ(CCTV)で放映され、都市部の若者から中年、高齢者まで幅広い世代の人が視聴した。ドラマに登場するのは、地方都市に暮らす国立病院外科医の夫・宋建平と小学校教員の妻・林小楓、6歳の長男の3人家族。結婚7年目の中年夫婦を通して中国社会のあり方を描いている。安定を望む腕のいい外科医の夫に対し、現在の倍以上の給料をもらえる外資系病院への転職を勧める妻。長男の教育費は膨らむ一方で、しだいに夫婦の間での感情のもつれがあらわになっていくというのがその粗筋。毎回繰り広げられる激しい夫婦げんかのシーンに加えて、インターネット恋愛など世相を象徴するシーンも織り込まれている。普通の中流家庭を築いてきた夫婦の間に少しずつ不信感が生まれ、しだいに家庭が崩壊していくという物語。人気作家・王海鴒の同名小説の映像化である。
Yahoo! 新語辞典【GO】「中国式離婚」、2005年3月16日)


今は、すっかりはまっています。ドロドロした話というよりは、非常にリアリティのある作品だと思います。彼らの発音もきれいで、語学学習のために何度も見てしまうのですが、ほとんどの展開は決して突飛なものだとは思えません。安易な浮気恋愛を原因に描いたものではなく、中国に根付き始めたあらたな社会問題を、十分ありえる夫婦の心情とともに描いたのが、全23集にわたるこのストーリーです。



他人の離婚劇を何度もうれしそうに眺めていると、隣から妻が呆れた視線を送ってきます。このタイミングで何か口にしようものなら、何らかのメッセージと受け取られかねないので、「ハハハ・・ドラマ、これ。面白い。」とつぶやくのが精一杯でした(笑)。


上海の至る所で、中国映画百周年なんていう文字を見ました。2005年が、ちょうど100年にあたるんだそうです。昔から、上海は映画撮影も盛んだった場所だそうです。日常の庶民ドラマに限らず、映画だって中国は大変面白くなってきたと思います。悲劇も、歴史も、自然も、民族も、中国は豊富に抱えています。題材が豊富であるということは、中国映画の未来にも明るい希望を灯していることでしょう。韓流ならぬ、「中流」という時代も来るのでしょうか。とっても楽しみです。


さあ、さあ、離婚劇場の結末を急がねば・・・。

 


▼この作品が紹介されていました。日本での放送もあったようです。

# 中国での暮らしを綴ります 中国的生活さん、面白い一場面
 “愛情の満腹中枢が壊れてしまった奥さん・・旦那が地雷ふみまくり”
# 北京暮らしを始めてみれば その後さん
 “綺麗な主役の女優さん・・くたびれた女性を素晴らしく演じきった”
# ディープ広州生活さん
 “見終わった正直な感想。中国のオバサンって怖い〜〜!!”
# yuki in 名古屋さん、 中国生まれで日本育ち
 “中国の夫婦や家庭の状況をとてもよく描いたドラマじゃないかなと”
# 中華状元への道さん
 “いいところは夫婦喧嘩の台詞の中にことわざや成語がバンバン出てくる”
# Honda SWEET MISSION、上海カップルに増える新しい結婚スタイル
 “週末夫婦がふえている・・勤務地がお互い離れ・・新鮮さを保ちたい”
# 三都物語 〜中国・台湾・日本の昨日・今日・明日〜さん
 “「中国式離婚」。そのロケ地の青島は小奇麗なまちだ(写真付)”

 

Posted by cancheer 02:13 PM | 固定リンク
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