cancheerの考え方
タイトル

シンデレラマンの闘志

日付

2005.09.24

『ビューティフルマインド』を最高峰の映画に挙げている僕は、同じ監督と役者のコンビが挑んだ作品『シンデレラマン』を見ないわけにいきませんでした。そして、再びよみがえった感動。そう、まったく期待を裏切らない作品でした。


新コーナーの「本物の英語」がお届けするのは、
映画・雑誌・洋書などのガイダンスです。。


伝説のボクサー、James J. Braddock。愛称はジミー。相次ぐケガや不運に見舞われながらリング活動を続けますが、そのふがいない試合によって、ついにはスポンサーから見放されてしいます。ボクシングは興行という観点からいけば、彼の才能は使い捨てられたことになります。




この映画の舞台は、大恐慌時代。第一次世界大戦を経て、世界最強へとのし上がったアメリカの栄光をひきずっていた頃です。当時、アメリカは、世界で初めて資本主義という壮大な実験に成功しました。しかし、数年もしないうちに栄華は悲鳴へと変わり、プロボクサーのジミーやその家族は電気すら止められてしまうような生活へと転落します。

《参考、“Cinderella Man”より》
○face life's daily hardships
  (日々の生活に困る)
○broken-down, beaten-up and out-of-luck
  (打ち砕かれ、ボロボロになり、運からも見放された))


映画の中で当時の時代を描写するような深みのあるシーンはあえて限られていましたが、失意の中にあるアメリカ社会の様子は、全体を通して何度も示されていました。


○the Great Depression
○devastating economic downturn
○the most frightening hard economic times the nation has ever known
  (上記3例は、不況や経済的な危機状況を意味している)


僕が、心の底からうち震えたシーンは二度あります。生活苦のあまり、子供を手放さなければならないほど追い詰められた場面。そして、再三にわたり辞退することを薦められた王座決定戦。自分ならどうしていただろうと考えると、逃げ出したいという本音が見えてきました。その震えを振り払った彼の決意に、僕自身は涙が止まりませんでした。

○out of darkness and defeat
  (暗闇や失敗から抜け出し)
○fight to win a second chance for his family
  (家族のために、二度目のチャレンジに挑む)


家族を、何よりも大切にする、アメリカらしい一途な生き方が、ジミーそのものです。一時、選手生命を絶たれた彼が、奇跡の復活を果たした様は、何度失敗しても挑むことを忘れないアメリカンドリームです。決定戦のリングに上がる前に、彼はすでに「シンデレラマン」と呼ばれるヒーローになっていました。

○human endurance and the power of love
  (我慢強さや愛の力)
○no matter what the outcome turns out to be
  (たとえどうなろうとも)


多くの人が彼に見た夢。ジミーはそれを背負って王座をかけた戦いに挑みます。ラジオの絶叫は、町中に、教会に、そして最愛の妻や子供たちのもとへと届けられていました。

彼が闘ったもの。それは、愛するモノのために自分自身がベストを尽くせたかという志です。「不屈の闘志は何事も成し遂げる」。そう信じたかったから、人々は彼にあれほど熱狂したのではないでしょうか。


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Posted by cancheer 04:32 AM | 固定リンク
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