cancheerの考え方
タイトル

コープスブライド 花嫁は死体だった

日付

2005.10.30

『チャーリーとチョコレート工場』に引き続き、ティムバートン(Tim Burton)監督とジョニーデップ(Johnny Depp)のコンビ作品を取り上げてしまいました。二人の大ファンってわけではないのですがf(^^;)、これも同じくらい笑えます。同監督の最高の皮肉さは、生者の世界をより暗く、死者の世界を明るく描いた点でした。


「本物の英語」がお届けするのは、
映画・雑誌・洋書等のガイダンスです。

この話は、同映画サイトのあらすじ(Synopsis)によると、


Set in a 19th century European village,
始まりは、19世紀ヨーロッパの、とある村

this stop-motion, animated feature follows the story of Victor, a young man
このコマ撮り、アニメ作品は、ベクターという若い男の話です。

who is whisked away to the underworld and wed to a mysterious Corpse Bribe,
彼が連れ去られたのはあの世。そこで結婚する羽目になったのが、死体の花嫁なのです。

while his real bribe, Victoria, waits bereft in the land of the living.
彼の本当の花嫁ビクトリアは、待ち続けます、生きている者の世界に残されて。

Though life in the land of the Dead proves to be a lot more colorful than his strict Victorian upbringing,,,,
それにしてもあの世で見たものとは、ずっと華やかでした、ビクトリアの家庭の厳しさなんかに比べたら。






時代設定には、没落貴族(中世の権威階級)と商工成金(この作品では魚売り)との交わりが普通になった19世紀の滑稽なひとコマを切り出したものです。空威張りするしか脳のない貧乏貴族と、商売根性を丸出しで階級を買おうとする成金庶民という両家の婚儀は、互いの長所・短所を補った合理的な組み合わせのはずでした。ところが、互いに軽蔑し合い、腹の探りあいに勤しむ両親に対し、結婚の当事者ふたりは、純粋な思いで惹かれあうようになります。





Dearly beloved, we gather today to celebrate the union of Victor and Victoria.

お集まりいただいた皆様、本日はふたりの門出を祝いたいと思います。VictorとVictoriaです。


と、歓迎の言葉で始まったのとは裏腹に、ギクシャクしてしまう結婚式。それもそのはず。ジョニデが担当する主人公ベクター(Victor is voiced by Johnny Depp)の間抜けさと臆病さで、何度繰り返しても結婚式の誓いができません。おかげで式は大混乱。彼が言えなかった誓いのセリフは次のもの。指輪を掲げ、キャンドルを手にし、決まればとても格好いい英語です。


With this hand I will lift your sorrows.
Your cup will never be empty, for I will be your wine.
With this candle, I will light your way into darkness.
With this ring, I ask you to be mine.




英辞郎によると、Liftとは持ち上げるという意味ですが、
“lift someone's depression”で「(人)の憂うつな気分を解消する」
“lift someone's spirit”で「(人)の気分を高揚させる、気持ちを奮い立たせる」
など、“sorrow”(悲しみ)やつらさから助けてあげるという新郎から新婦への誓いです。


「君のグラスを空にはしないよ」というセリフも心を打ちます。


映画では「ろうそくで君の行くその先を照らし」と、そのろうそくで大変なことになる主人公。そして、「この指輪で、君を私のものに」と誓った彼に・・・もっと大変な出来事が。


このストーリーは、ぜひスクリーンの前で。
楽しさの一部は公式サイトで味わえます。
※中央(Flash site)から可能、少し重い。



さて、この映画の注目すべきところは、人形を用い、ひとコマひとコマ丁寧にコマ撮りし、あれだけの躍動感を出したところです。



They've been gloriously realized using old-fashioned stop-motion animation
とてもすごいのは、旧来のコマ撮りアニメだという点。

in place of state-of-the-art techniques, which lack the simpler form's immediacy.
最先端技術では出せない、簡素な手法での緊迫感

"Corpse Bride" has the look and feel of the best puppet show ever.
「死体の花嫁」(本作品)は、見た目も感じ方も、最高峰の人形劇です。

Skeletal figures appear to move and prance around on their own volition, no strings attached.
骨の形状は見える、動いたり跳ねたり、まるで彼らの意思で、吊り糸はありません。


さらに、もうひとつの映画レビューを見ますと、


These days most animated movies are computer-generated, creating effortlessly flowing images.
今日、ほとんどのアニメはCGで、手間をかけずとも流れるようなイメージが可能になりました。

But in the days when they had to be laboriously drawn one frame at a time,,,,
しかし当時、苦労して描かれたひとコマひとコマは、

My own feeling is that the artificiality of stop-action animation
筆者の感じるところでは、人工のストップアニメーション(コマ撮り)は、

adds a quality that standard animation lacks,
質感を加えている、普通では出せない

an eerie otherworldly magical quality that's hard to pin down.
不気味な、あの世の、不思議な質感を表現するのは難しい

Certainly the macabre world of "Corpse Bride" benefits from it,
確かに、ゾッとする世界、本作品にはそれがプラスになっている

and somehow it is appropriate that a skeleton would move with a subtle jerkiness.
何か適切に、骨が動いていた、ギクシャクと。




表現技法を、映画の主題や内容に合わせて活かしている点が重要ですよね。単に、最新の手法がいいとか、古い手法がいいとか、ではなく、この作品で、何を表現したいか、ですから。もっとも有効な技法を選んだのだと思われます。






▼ティムバートン監督というひとつのブランドへの賞賛?の声をブログで、どうぞ。
「映像の美しさに特にハッと思ったのは、」(確かに、人形劇なのに、美しいんです)
「格段に進歩した人形アニメーション」(今回が監督にとっての一回目ではないですよね)
「1,2年ほど前にインターネットで予告編を観てから・・」(制作に時間がかかりました)
「ティム・バートンも大人になったのね」(時系列で見比べている貴重な声)
「死者の世界でピアノの連弾をするシーンは強く印象に」(コマ撮りが活きていたシーン)
「封建的な社会の下で政略結婚を企図された」ふたり(時代背景も考えると面白い)
「なんといっても音楽が素敵」(Flashサイトで聞けるコーナーがあり)
「記者会見に行ってきました。」(オリコンさんも着目!)
前作は「気持ちが”ダーク”だったんだろね。今回は大丈夫」(と前二作より評価)
「ブラックさは少なめで、とってもピュアで美しい物語」(相当、ブラックに感じたのは僕だけ?)
「コープスブライドぬいぐるみが予約受付中です」(売ってるんですね〜)



Posted by cancheer 08:09 PM | 固定リンク
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