cancheerの考え方
タイトル

熟年離婚と関白宣言

日付

2005.12.07

『熟年離婚』。放映前の企画が発表された瞬間、僕は、絶対「当たる」と思ったドラマです。そう感じた方は他にもたくさんいらっしゃるでしょう。それだけ、このテーマは、深刻で、誰にとっても身近に考えられる事だったからですね。ただ若い人には、あまりピンとこなかったのでは。なぜなら、結婚当初から、すでに女性優位の状況にあるからです。


事件・ニュースから、映画・雑誌・洋書のガイダンスまで。


そもそも関白宣言ということさえ、いまどきの若い旦那さんが奥さんに言うことはないでしょう。おそらく。


『関白宣言』という歌があるくらいは、ご存知の方もいそうですが。いや、いてほしいですね。僕は、さだまさしファンとして、この歌を愛し、そしてその続編となる『関白失脚』で大いに笑いました。歌詞へのリンクを張りましたので、『関白宣言』で懐かしく、『関白失脚』で最近の現実を目の当たりにしてみてください(笑)。


ちなみに僕も自作詞を一番だけ作ってみました。題は、『関白宣言』のままでいいのですが、関白の意味が若干、変容しています。



お前がオレを拾ってくれて、こんなこと言うのは 気がひけるけど
時代を意識した話になるが、ちゃんと座って 聞きなさい。

オレの布団を隅にやるな、枕は同じサイズにしてくれ
食い終わった皿は 運んで水につけておけ
自分のゴミは、オレじゃなくゴミ箱へ

忘れてくれるな オレは確かに関白だが、
耐えられる限度は、人権の範囲内

お前にはお前にしか 使えないお金があるのに
オレのには口出しできず 任せるしかない これが関白?



我が家の関白は、下々(妻)の意見を聞き入れる寛容さと、庶民(妻)を第一に考える思いやりと、そして国難のさいには決断(追認)できるリーダーシップを備えています。だから、(バカ番組を見てゲラゲラ笑っている)隣の妻に向かって明言するのです・・・せめて、あくびせずに人の話を聞きなさい。おい、コラ!・・エッ・・アッ、お休み。あったかくして寝てよ〜。ウン、お休みなさい。(妻を見送った後)まったく!



きりがないので先に進みます。


その関白宣言の英語バージョンがあったのをご存知ですか。歌詞はご紹介できないけど、そのカバーをしたジョニーさんの英文をご覧ください。世界に向けての情報ですが、こうやって、さだまさしは紹介されているのかと感心してしまいました。

また、このCDも本当にお薦めです。



Masashi Sada, a Japanese distinguished folk singer and songwriter, has made over 400 works for 30 years.
さだまさし 日本の著名なフォーク歌手で 創り手でもある(彼は) 創ったのが400作品になる 30年間で。

His songs have the cordiality, the spirits of Japan, the universality, and the strength of love.
彼の歌には真心があり、日本の心(を表わし) 普遍的なもの、そして強い愛も。

Once you open the door of his world, you'll know how beautiful the traditions and sentiments of Japan are.
一度、彼の世界に飛び込むと あなたは分かるよ どのように美しい伝統や心が日本にあるか

For all the people, his songs are worth listening,
誰にとっても 彼の歌は、聞く価値がある

because Masashi Sada has made the lyrical and poetic songs, which take his listeners to the gentle world.
さだまさしが創るのは、叙情的な、詩のような歌で、聞いてくれた人を導くんだ 穏やかな世界へと。

In addition to being a singer, he is famous for an author.
それに歌手として以上に、彼は有名な作家でもある。

He has written lots of novels for several years.
彼が書いたのはたくさんの小説だ 何年かの間に。

・・Actually, one of his songs called "SHORO" became a movie and TV drama.
実際、作品のひとつである“精霊”は映画にもなり、ドラマ化された。

We're sure that it's the time to tell his art to all over the world.
断言できるよ まさに今が 彼の作品を世界に問うときだね。

We call this plan "a tribute to Masashi Sada: THE ENGLISH COVERS".
私たちはこのアイデアをこう呼んでいる 「さだへの賛辞(英語カバー)」 

Jonny Rosch sings the world of Sada in English to bring love and peace to you.
ジョニーは 歌い上げた さだの世界を 英語で 愛と平和を奉げて。

(以上、英語カバーを歌うJonny Roschの特設ページです。FOR Records)




さて、熟年離婚に話を戻しますが、はっきり言ってこの危機は、現在の団塊の人だから迎えている危機と言えるのかもしれません。今や、若い人の間で、離婚することは大したニュースにならないくらい日常的な風景になっています。僕らの大先輩たちの時代は、妻が家で耐え、外では亭主が背伸びをしながら猛烈にがんばっていました。浮気も甲斐性のうちとか、子育ては妻の仕事と言えたのも、男と女の役割が明確だったからですね。それで何十年と、何とかかんとかやってきた夫婦なのに、定年間近のある日突然、なぜ今さら・・・という妻の告白。ドラマに限らず、これが離婚を突きつけられた側の偽らざる心境でしょう。



熟年離婚とは、英語で“divorce in their later years”とか、“Middle-aged Divorce”など。ドラマの影響か、すっかり標語として定着した表現ですが、英語では熟語になっているわけではありません。海外では離婚そのものは増えているのですが、特定の年齢で、子供が大きくなり、亭主が力を失い、妻が我慢の臨界点を迎える。まさに、タイミングです。



Living Longer, Divorcing Later: The Japanese Silver Divorce Phenomenon

As in other industrially advanced countries, greatly increased life expectancy has gradually altered
他の先進国のように 非常に増えた平均余命が 徐々に変えていった

the way Japanese people think about and conceptualize marriage and the family.
日本人の考え方を そして結婚や家族の定義を。

Although changing marriage patterns are often considered to be something that only affects young couples,
確かに変わる 結婚の構図が (と言えば)何か若い人たちだけに関するものだと考えられがちだが

senior citizens are not immune to their influence.
(ところが)年配者も無関係ではいられない その影響から。

Evidence of this can clearly be seen in the divorce statistics
その証拠が はっきりと現れているのは 離婚統計だ

which have witnessed a sharp rise in late-life divorces over the last decade.
くっきりと増加している 熟年離婚が この十年で。

This kind of phenomenon has been recorded in most other post-industrial societies such as the United Kingdom and Canada.
この傾向が記録されているのは 他の産業(分業)化が進んだ社会も同様、イギリスだとかカナダとか。

In Japan, this is still a relatively new phenomenon, which society is gradually coming to terms with.
日本では これはまだ新しい部類の現象だ 社会がだんだん折り合いをつけていこうとしている。

(以上、Global Platform)。他にもたくさんの日本的話題を議論!面白い。


非常に面白い文章なので、もう少々だけ引用しておきます。



Late-life divorces began to become conspicuous during the nineties as their influence on the statistics became more visible.
熟年離婚が台頭するようになったのは 90年代、統計の影響もあって、さらに明確になる。

Analyzing the figures, we can see there was a steady increase in the number of years the average marriage clocked up at the time of divorce.
数字を分析して分かるのは、一貫して増えていること 何年も 平均的な結婚が記録されている中で。

・・Initially, the press tended to focus on the so called abandoned elderly husbands.
始めに、マスコミが注目してしまうのは、いわゆる捨てられた中高年の夫たちだ。

Press coverage claimed these men could barely survive once their wives left them.
マスコミが取り上げるのは これらの夫たちがどう奮闘するかという点だ、妻に去られた後で。

For a while, the media portrayed divorce after retirement as the worse case scenario for middle-aged businessmen.
しばらくすると メディアの描き方は 退職後の離婚が 最悪のシナリオだということ。中高年のサラリーマンたちにとって。




僕にはまだまだ身に迫った危機ではありませんが、妻から突然言い渡されてしまうことはあるのでしょうか。のん気に、英語の勉強をしている場合ではないですね。よき「関白」であり続けること。これしかないでしょうか(笑)。

21世紀版の「関白宣言」で、一歩下がって妻に配慮できる新しい関白像を描くときかもしれません。ね、さださん。



▼熟年離婚は、誰にも訪れうる問題なので、意見も真剣味を増します。

「ただいきなり離婚という伝家の宝刀・・意思疎通を図る努力不足」(なるほど)
「決して離婚を推奨しているドラマではない・・視聴率20%」(何事も危機感)
「離婚大国ニッポン!?潜在的件数40.6万件」(思わず背筋が伸びた)
「年金分割・・・離婚は2007年以降に!」(2007年問題)
「別れるって言うんですよ・・そうかな?何がとんでもないの」(池内ひろ美さん)
「本年度流行語によるシミュレーション」(熟年離婚入り、天才!)
「制作現場歴20年に基づく・・テレビ番組放談 」(動画が流れます♪連載♭)
「男の立場が弱くなっていく現実を見せつけられる」(新しい秩序・・)
「“熟年離婚”は“妻の復讐”、心配してる人は大丈夫・・」(今日の格言!)
“熟年離婚”を見て、夫婦喧嘩?夫婦なんて空気?(面白すぎる)
「心優しい、魅力的な男女なのにボタンの掛け違い」(真を見た言葉です)



Posted by cancheer 06:03 PM | 固定リンク
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