cancheerの考え方
タイトル

『踊る大捜査線』に学んでますか、経営者様

日付

2006.01.10

北風が身にしみる日々、懐がひそかに温まってきた方も少なくないでしょう。うれしいですね。僕は、逆風・激寒の真っただ中にいるはずなのですが、相変わらず、飄々とガツガツと生きています。『踊る大捜査線』の青島刑事なみの、楽天家だからなんでしょうか。それでも、学ぶときは学びますよ〜、僕でも。

 

「まあ、いいじゃないか」という、気楽&独楽コメントコーナーは、
書評、社会評論などを前向きに行います。英語はお休みです。

 

踊る大捜査線シリーズは、全部見てます(笑)。
織田祐二と同じ色のコートを着て喜んでたくらいですから。
愛妻に「もう汚い」と捨てられました。o(;△;)o



僕は改革案を提示するとき、よく、この本のような問題提起の仕方を実践していました。つまり、本質を象徴するような現場の一場面であったり、誰かのセリフを引用して、経営者の嫌がる真実を突きつけるやり方です。ある経営者からは、言葉遊びはやめろと言われました。


たとえば、その会社の商品を見て、お客様が「だって、お年寄りの人の商品やん」って言っていた事例。たかが三人ほどのお客様の声でしたが、僕はその言葉を掘り下げ、お客様がなぜそのようなイメージを抱いたかを報告書にまとめました。本来は、学生や社会人にも使ってもらいたい商品ですが、従来の売り方は、通販業者の人の言いなりでそのようなイメージを定着させてしまったんです。僕は、その現実を踏まえた上で、なぜ、そのイメージを払拭する必要があるかも説明しました。現場の仲間はみんな賛同しました。しかし、経営者は、「オレのやり方で売ってきた」と成果を言い張るのみ。急降下する売上に対し、打つ手を変えようともしませんでした。現場の意見を無視するその経営者が、いまだに数字でもがいているのは言うまでもありません。

本書は、現場で生まれたひと言ひと言に焦点をあてて、その意味するところを組織論として語っておられます。僕が言いたかったことの数々がここに書いてあったので、自分は間違えてなかったと、妙に感心してしまいました。
自己正当化のための良書?、いまだ反省してないと言われそう(笑)。


「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ」
「……何がマニュアルだ……」
「もう(現場に)着いちゃいます」


現場至上主義だなんて僕は言いません。現場は、短期的な視点に埋もれて、大切なことが見えなくなるんです。だからこそ上記の事例で言えば、この商品を続ける気があるのか。さらにシリーズ新商品の開発に踏み出すのか。僕は何度も経営者に問いました。一度ついたイメージを変えるのは大変なことだからです。


「正しいことができないんだ。……自分の信念も貫けない」
「誰のために働いてんだか……」
「頑張りましょうよ、おれたちの思い実現するまで」


結局、正しいことなんて、この会社にいる限りできないんですよ、とは僕の隣にいた現場の同志がつぶやいた言葉。僕は、相手が経営者と言えど戦うことを説きましたが、戦う価値もないと言われました。ものすごくさみしい気持ちになりましたね。


「レインボーブリッジを封鎖できません」
「みなさん、所轄の意地、見せてやりましょう」
「室井さん、命令してくれ!おれはあんたの命令を聞く!」


僕がもっと優秀なら、当時、何かできたはずですね。すべては自分の至らなさに尽きるところです。くどいですが、僕は、『成功は偶然、失敗は必然』という座右の銘を持っています。失敗には必ず理由がある。景気だとか、偶発的要件のせいにする経営者をたくさん知っていますが、おそらく何があっても反省する気のない方々なのだろうと思えてしまいます。


ひとりでできないから、みんなでやるんです。みんなを動かすときには、組織が必要なんです。組みして織りなす、それが組織なんです。だから、組織がきちんと動くには、リーダーシップとルールの体系、そしてその融通の利かせ方(現場のモチベーションの上げ方)。この三つが大切なんだと思います。そんな僕の考えに、たくさんのヒントや言葉を与えてくれたのが、本書です。


「リーダーが優秀なら 組織も悪くない」(青島刑事)



さて、踊るの映画版にも登場した「監視と盗聴による捜査」にひっかけて、タイム誌の記事を紹介してみました。

●ブッシュさん、いまこそ監視と盗聴による捜査です
    〜タイムガイダンス『世界、ちょいびき!』

盗聴と言えば私が思い出すのは、観客動員1000万人を越えた『踊る大捜査線』映画版第二弾のあのシーンですかね。警視庁の監視システムルームに総理の息子・小泉孝太郎(小池茂役)が腰をかけ、何十台ものモニターに囲まれています。彼は、街のあらゆるところに仕掛けられた盗聴カメラの映像を監視していたのです・・さて、タイム誌が今年最初の大きな問題ととらえたのは、ブッシュ大統領のスパイ容疑(?)です。ニューヨークタイムズ紙の記事によるて、ブッシュ大統領はこっそりと、盗聴・通信傍受の指示を出していたというのです。これはレッドカード(違法)なんだそうです。【続きを読む】
ぜひ、英語を楽しんでください。

 


▼本書のファンには、「踊る」ファン以外にもたくさんおられました。

“珠玉の言葉・・から20の名台詞を取り上げいろいろ考察してますよー!”
  →宣伝ウーマンも踊る! - odologはこちら!すでに終了です
“本書も重版ができたとたん即品切れになってしまう”
  →出版元のかんき出版さんです
“最近は・・本を読んでいない・・買ってしまおうかな・・よし、買おう”
  →佐掘泰造さん 今週のR25的ブックレビュー(10/30)
“目次見るだけでも、ハートをわしづかみにされる人、続出”
  →I Love Yuji Odaさん
“経営者には痛い映画・・現場のスタッフたちには本当に突き刺さっている”
  →NLPPOWERS BLOG、企業研修インストラクターの方々のブログ
“面白いと感じた部分は、できるマネージャーと凄いリーダーの違い”
  →simoom's nestさん
“自身がまさに『踊る〜』で描かれているような官僚組織に・・勤めている”
  →Tagebuch(たーげぶーふ)さん・・独逸語で“日記”
“踊る大捜査線に学ぶ組織論”
  →ビジネス書の杜 pm_book_style pmstyleのブックガイドです。
“組織を語る時には統率者であるリーダーのリーダーシップについて”も考えねば
  →ネット起業家!30歳で起業を目指すブログさん
“おちゃらけたタイトルに似合わず,中身はとてもまじめな学問書”
  →[本ナビ]社会・政治さん
“上層部と現場の対立をいかに克服するか――これは、組織論と呼ばれる学問”
  →1年中がクリスマス!!さん
“自分の部下に自分よりも気を使ってあげる事ができますかね?”
  → 川崎の黒豹さん
“「マニュアルにしばられるがゆえの失敗、葛藤」を”議論されてます
  → skywalkerの読書感想文さん

 

Posted by cancheer 04:27 PM | 固定リンク
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踊る大捜査線に学ぶ組織論入門がR25に!
R25本日配布号に 『踊る大捜査線に学ぶ組織論入門』の書評がメインで載っています...
「かんき出版営業部(ブ)ログ」のサイトから
Posted at 2006.01.10 17:09
踊る大捜査線はなぜ「踊る」のか
すみません。生意気なタイトルでした。でも観てください。そして、今回、書評で挙げた
「夜明け前??I can cheer you up!!??」のサイトから
Posted at 2006.01.10 19:45
ブックレビュー(10):『踊る大捜査線に学ぶ組織論入門』
今日レビューするのは、大ヒットドラマ、そして映画化された『踊る大捜査線』をテーマに、組織論をやさしく解説してくれる本。装丁とは裏腹に(?)、内容は極めて真面目なものである。 ルールは、ルーティンワークを効率良くこなすために必要である。 ルールは無いほ...
「Tagebuch(たーげぶーふ)」のサイトから
Posted at 2006.01.10 20:54
踊る大捜査線に学ぶ組織論入門
会社員なら誰しも、上司からの無茶な要求に「現場を知らないくせしやがって」とボヤいた経験をお持ちだろう。上層部と現場の対立をいかに克服するか――これは、組織論と呼ばれる学問分野の一大テーマである。 しかし、難しい経営学のテキストをひもとかずとも、僕らの...
「1年中がクリスマス!!」のサイトから
Posted at 2006.01.11 00:06
踊る大捜査線に学ぶ組織論入門(金井 寿宏 田柳 恵美子/かんき出版)
こんばんは。 トラックバックありがとうございました。 さらに、ブログの紹介までしていただいて、 重ねてありがとうございます。 今後とも、宜しくお願いします。
「ネット起業家!30歳で起業を目指すブログ」のサイトから
Posted at 2006.01.12 01:38
眠くならない組織論。ドラマの場面をイメージして学ぶことができる。
踊る大捜査線に学ぶ組織論入門 金井 壽宏 (著), 田柳 恵美子 (著)(20
「上海ライフの達人」のサイトから
Posted at 2006.03.12 20:45
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