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May 2007
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お知らせ(7)
本物の英語情報:Magazine; Books; Movies(73) 英語を学ぼう:Let's English(11) 世界の空(中国特集):World and China(14) いいじゃない:Don't worry(20) かわいい兄妹:Tecodeko(28) |
やっと、こういう類の報道が始まってくれたと感謝です。日経ビジネス(11月14日号)が、そのカバーストーリーで、「虚妄の大学発ベンチャー」と題する特集記事を組んでくれました。結構、勇気がいりますよね。今までは影でコソコソ言われてきただけですから。 まあ、「いいじゃないか」・・というコーナーは、 瞬間風速のニュースにコメントするものです。
今回は、英語とはまったく関係のない、昔風の『夜明け前』的記事です。 現在、この『夜明け前』サイトは、英語を学び、世界を知るという目標を掲げ、そのための様々な切り口やアイデアを提供するサイトです。日本人が世界に堂々と出ていけるようになるための応援をし、かつ僕自身にプレッシャーをかけることが目的でした。ただ、この『夜明け前』サイトは、もともと、成功を約束されていない人たちのための、挑戦を応援するサイトでした。まさに技術移転や研究開発、新規事業という、リスクの高い試みに対し、まもなくやってくる夜明けを信じてがんばろうと宣言するものだったのです。なぜなら、僕自身がその真っただ中にいた人間だからです。
一体、何が言いたいのか。僕からの提言を日経ビジネスのように5つの骨子にして示しておきましょう。
僕らがやっていたことは、大学の教官を具体的に取材し、研究テーマや技術の中身について教えてもらい、それらを調査・理解することでした。その後、プロモーションの方法を考えたり、その前段階の特許戦略について提言・実行支援なども行っていました。さらに、これらのことをイベントとして企画・実施するところまで提案するのが、当時の僕の役割でした。 慣れない技術移転機関(TLO、大学)側の対応にイライラしながらも、精一杯の時間と知恵を使って取り組んでいたのを覚えています。当時、もらえる金額はわずかでしたが、僕たちが一生懸命やったのは、各大学の教官の主だった技術を把握すれば、各企業への売り込みには自信あったからです。利益はその後からついてくる。だから、今は、多少は無理をしてでも大学での信頼関係を積んでおこうとがんばっていたのです。 ま、僕が言いたいことは以下の三点です。 上場だなどと鼻息を荒くした途端に、怪しいものがまとい始めます。僕の身近な方々でも上場を目的とされていますが、お金のことばかりに目がいき、自分が社会の何に貢献するのかを忘れてしまうプロの経営者もいらっしゃいます。ましてや研究のことしか考えていなかった大学の教官を、わざわざ公的資金でにわか経営者に仕立て、上場を目指すように仕向けることは百害あって一利なしです。
○技術やアイデアに深い見識があり、情熱がある。→創造力
その上で、産学連携に資金が足りないのなら、その一部を税金で補填してもいいでしょう。商売が成功するには、忍耐力や持久力も必要です。成功とは時の運ですから、そのタイミングをつかむまで、資金や信念でしのいでいなくてはなりません。公的資金は、そんな状況にこそ生きるのです。
有望案件の審査には、有識者や専門家が加わっています。しかし、彼らはたいていの場合、何の責任も負いません。このことは、隠れた大問題です。お金を貸す銀行が信用供与の審査をするとき、真剣に考えているはずですよね。貸したお金が焦げつけば、自身が損をするからです。これと同じ原理が、補助金の審査にも適用されてしかるべきだと思います。 審査員は、企業や技術を評価すると同時に、指導もし、その結果責任も共有してもらいたいと思います。責任と言っても、投じて消えたお金を返せという意味ではありません。失敗だったら、その結果とともに、審査員の座を降りてもらうのです。指名責任を共有できる人(あるいは企業)を公募し、審査員に選ぶという仕組みです。
これは、僕が、特許流通関係の小委員会に参加させてもらったときから、何度も口にしていることですが、仲介者が活躍できる舞台を作らない限り、技術移転も、特許流通も絵に描いた餅に終わります。僕の前にいた会社は、まさにその一社ですが、別にひいき目で申し上げているわけではありません。商社でも誰でもいいんです。熱心に、やってくれる人だったら、誰でもそのプロとして参加してくれればいいと思います。 その仲介役のプロが登場したとき明確になるのは、大学側の対応力です。プロは、ちゃんとした大学しか相手をしません。仲介役から見放された大学には先がありません。そんな風になれば、大学は変わらざるを得ないと思います。 今の大学の事務局の機能はあまりに貧弱です。意思決定も遅いし、外部の人材のスピードについていけないほど作業のひとつひとつがトロトロしています。しかも、大学の教官との調整すらうまくいっていません。このTLO(技術移転機関)改革こそが、産学連携の抜本的な課題なのです。機関の経営トップが変われば、必ず変わります。 僕がもし、あるTLOの経営者だったら、大学教官のタレント事務所くらいのつもりでやるでしょう。協力的な教官を選び、民間企業に対して積極的な技術相談サービスを展開したり、研究成果コンテンツを四コマ漫画で表現したりしながら、楽しくインタラクティブなサロン事務局を目指すような気がします。協力してくれるパートナーとはどんどん提携します。学生ボランティアでも、ネタをほしがるメディアでも、何でも取り込み、気付けば、他の大学の研究情報さえ集めて解説したりする、技術の総合的な駆け込み寺という役割を担わせたいです。僕のアイデアの肝は、教官を通じて集まってくる情報をマネジメントする方法論です。
それが、僕の、この問題に対する回答です。
『知的財産管理&戦略ハンドブック』(発明教会出版) 知的財産の基礎から、その活用まで広く網羅したハンドブックの発売です。たった4ページだけ僕も書きました(笑)。
#「“大学発ベンチャー”や“産学連携”に費やされる税金のムダ」(記事の要旨です)
Posted by cancheer 12:33 AM | 固定リンク
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毎日新聞が報道"日経BP:ライブドアの批判記事に反論"
毎日新聞が私が書いた記事を報道する記事を書きました。 ライブドアやヤフーに配信されたのは、記事の一部でしたが、毎日新聞のホームページでは全文が読むことができますので、引用します。 「PJニュースの補足----> 1日2万PVの責任」のサイトから Posted at 2005.12.13 23:42 |
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