cancheerの考え方
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小嶋社長(ヒューザー)をかばってみました

日付

2005.11.28

小嶋社長。テレビでの奇妙な発言の数々がすっかりマスコミの餌食になっている方ですが、この日も発言は加速。神妙な面持ちでいたかと思うと、突然、わめくは叫ぶはの繰り返し。「神聖な」構造計算書が偽造されたことに言及し、姉歯氏と並ぶ問題と、検査機関の藤田社長(イーホームズ)との対決姿勢を明確にしていました。


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続編をアップしました。証人喚問を経ての総括です。【GO】



日曜の朝、久しぶりに政治関連番組のはしご見。チャネルには大映しで、小嶋社長(株式会社ヒューザー)。


構造計算(structural calculations for the apartment building)というマンション建設にあたって最も大切な作業で、いい加減な業務実態が明らかになったこの事件。耐震強度を証明するはずのデータに偽造(falsified quake-resistance data)があったらしいのです。それで、連日、マスコミが取りあげ、毎日のように新しい事実や、関係者の迷走が紹介されています。



まあ、僕が言わなくても、インターネットにたくさんの情報が転がっていますね。本来、最大の問題は、現在すでに居住している人たち(residents of condominium complexes)の安全確保のはず。ただ、その関連費用の出所が明確にならない限り、誰も、何もできない、そんな実態ではないでしょうか。



現在、マスコミでの最大の関心事は、小嶋社長がウソつきか否かという点のようです。テレビでも、彼の矛盾点や人間性の問題を暴いてやろうとの意図に見えて仕方ありませんでした。そもそもは、姉歯氏(偽造した張本人)が、「圧力があった」(under pressure to reduce costs)と発言したことに始まります。その圧力をかけたとされるひとり、小嶋社長の論点を本人に代わって申し上げると次の通りでしょうか(?)。



1)常識の範囲の交渉
商売上のコストダウン努力は当然やっている。ただし、それは、法的なルールを守った上で行われているはず。

2)業界の分業体制
発注元が何もかもを把握しているわけではなく、信頼できるパートナーとの分業の上に成り立っている。

3)ルールの徹底を要求
事件発覚後に、政治家や官僚に働きかけたのは、検査の仕組みをしっかりしてもらわないと、仕事が成り立たないと訴えるため。

4)ルール運用者に責任
被害者への責任は、建築主として逃れられるとは思っていない。ただし、検査不備が理由である限り、国にも責任がある。


いかがでしょうか。
特に、最後の点です。誰がこの仕組みを担保しているのか(Who checks the checkers?)規制緩和の流れ(Under a deregulatory measure)を受け、検査機関の民営化が進んだ(private firms were allowed to undertake inspection services for building plans)のは6年前のことだそうです。


僕は、民営化をいまだに支持していますが、このような取り返しのつかない事件が発覚した今となっては、その仕組みから見直すことは避けられないでしょう。

とりあえず、テレビの小嶋社長を少々弁護してみましょう(本当に弁護か・・?)。


1)社長ひとりを責めるな
社長業にある人に、すべてを把握しろと言っても無理。どうしても社員経由になる。もし、社員の誰かのミスがあったのだとしたら、社員をかばい続けるのは重要。

2)情報開示は慎重に
不祥事がいきなり発覚してしまったとき、顧客との間で混乱するのは目に見えている。だから、官僚や関係者への働きかけで、情報開示を慎重にと要求した。

3)正直な私を見て!
慣れないテレビの前では、本来、驚きや怒りや被害者への思いを感情的に訴えたいものの、それが逆ギレ・開き直りのようにとられてしまう場面がたくさんあった。

4)法を遵守した対応
マンション購入者との契約関係に即して発言を進展させているつもりが、二転三転してしまっているような印象を与えている。



う〜む。


小嶋社長のヒューザー(Huser Management Ltd、condominium developer)は、マンション購入者から106%の金額で買い戻す(the company would pay 106 percent of the price paid to purchase each unit)ことを表明していますが、その実現性も多分に疑問符がついています。何とも、悩ましい事件です。


こんな英文を紹介しておきましょう。


If there is one thing for sure in Japan it's this:
ひとつはっきりさせることが日本であるなら、それはこうだ:

Shake any tree where you find major corporate wrongdoing and
木をゆすってみよう もし企業ぐるみでの不祥事を見つけたなら 

soon you will be up to your hips in sleazy politicians.
そこには政治家の影があるよ

The Aneha construction scandal seems to be no exception to this rule.
構造計算偽造問題も、どうやら例外ではなかったようだ。

(以上、Japundit




さあ、実態はどうなんでしょう。個人的には、あまり政治家の影は感じませんが、ヒューザーやイーホームズの責任のなすりつけ合いを見ていると、被害者住民のことが心配でなりません。

小嶋社長はこの逆境を乗り越えることができるのでしょうか。まさに、“A friend in need”ではなく、“A friend in greed”に囲まれた状態と言えそうです。


続編をアップしました。証人喚問を経ての総括です。【GO】




▼小嶋社長の人格問題にまで及ぶ議論は超白熱中(´△`)。

「ヒューザー事件の被害者に言いたい」(なるほど)
「同情的になる・・でもね、公的資金の投入という議論に何でも飛びつく」(無関係の人のお金だもんね)
「まだピカピカなのに人の気配が無く、1枚の張り紙が」(虚しいです)
「払い戻しすると言って・・いきなり倒産」(計画倒産、っすか)
「ヒューザー買取申し出の落とし穴」(マンション問題の達人サイト?)
「これだけ(家が)つぶれても、どこもおとがめがなかったんですよ」(あ・・救いようが)
「しゃべれば、しゃべるだけ、怪しさが倍加」(損な方です)
「ワトスン“やぁホームズ”」(不謹慎ながら、サイトのオチに思わず・・)
「小嶋社長歌手デビューしてた、ヤフオクで6万円!」(速報f(^^;))
掲示板のスレッドを拾い集めての総力特集?お見事!(結構、大変ですよね)



Posted by cancheer 08:17 PM | 固定リンク
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「姉歯偽造問題」ヒューザー買取申し出の落とし穴
マショレンジャーママです。 ヒューザーが一転して問題になっているすべてのマンションについて、販売価格の106%で買い取る意向を示したようですね。 一見、前日までの状況からは考えられないほどの好条件!と思いきや、またまた恐ろしい落とし穴がここにもありました。 ...
「マンションは、こうだ!」のサイトから
Posted at 2005.11.28 21:03
耐震強度偽装問題 2
拡大の一途となっている耐震強度偽造問題だが、まだ色々な問題がこれからも出てきて、逮捕者等が次々と出るだろうと私は予想する。既に木村建設が自己破産決定みたいだから、残るヒューザー・シノケンがどうなるかこれからしっかり見て行きたい。姉歯設計士は確かに悪いが...
「日々月々年々思う事」のサイトから
Posted at 2005.11.28 21:42
ヒューザー事件の被害者に言いたい
建築主のヒューザーと、構造設計の姉歯設計事務所と、許可出したイーホームズでしたっけ? 100平米超で格安物件! なんていかにも怪しいと思うんだけどな。 実は、今回問題になった住吉の物件は外の様子を見に行っていまして、確かに広そうでした。新築だったので綺麗...
「おうちでお昼寝」のサイトから
Posted at 2005.11.29 22:14
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