cancheerの考え方
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ASIMOが走って考えさせられた10年後

日付

2005.12.14

噂どおり、楽しみにしていたASIMOがついにお披露目となりました。さすがは世界のHONDA。大再編する業界の中で、孤高の存在でありながら、飛行機やロボットなど独自の展開を見せる将来像に、かなり期待してしまっているひとりです。新しくなったASIMOをネタに、ちょっとばかり10年後のことなんぞ考えてみましょう。


事件・ニュースから、映画・雑誌・洋書のガイダンスまで。




新型ASIMOが発表されました。日経BPでも“時速6kmで走るホンダの新型ASIMO−「ご案内とお茶出しもできます」”のタイトル。いよいよASIMOは「走り」の領域へ、そして「働く」ところでもその将来像の片鱗を見せてくれました。


海外ニュースでも早速、この話題でもちきり。そのうち4点ほどからちょっと抜粋してみましょう。


“In the future there will be robots,” they said. Instead we got the Internet and mobile phones. “So much for their promises”, we thought. Then the bods at Honda - power of dreams and all that - came up with this little fella, the ASIMO.
「将来、ロボットは要るでしょう」。そう言った彼ら。代わりに我々は、ネットや携帯電話を手にしました。「約束ということにしておきましょう」。私たちは考えていました。そして本田の人たちは「夢の力」(同社の標語)などと語り、この小柄なロボットと現れたのです。
Stuff Magazine UK


“We want to make the best use of our advance technology in the safety features of our vehicles,” Honda's President Takeo Fukui said today in Tokyo. “Asimo will be pretty advanced in the next 10 years and can help out the disabled and elderly.”
福井社長の発表によると、「もっとも素晴らしいカタチで、私たちが自動車で培った技術を盛り込むことができました。ASIMOはこれからの10年ですごい進化をするはずです。障害者やお年寄りのお手伝いも可能になります。」
Bloomberg.com


The 4-foot-3-inch Asimo・・Behind the seemingly simple tasks are a myriad advanced sensor, image and voice recognition technologies that Honda says will be applied to its core automotive business to improve safety and other features.
1.3m(ドラえもんとほぼ同じ身長)のASIMO。一見、シンプルな動きですが、おびただしい数の進んだセンサーが取り付けられています。映像や声を認識できる技術は、本田が自動車分野で培った技術です。安全性などの点を考え開発されました。
Reuters.com


“Robot makers are likely to further focus on their own strong points from now on,・・Some companies will focus on entertainment and others will concentrate on practical use,・・While ways to use robots are different, their goals are the same - how they can earn profit in the long run.”
コメント「メーカーはそれぞれの強みをさらに磨くようになりそうですね、これからは。娯楽なのか、実用なのか、いずれの用途であっても、目的はただひとつ。長期的には利益をどう稼ぎ出すか、です。」
News 24.com



早速、本田技研のサイト英語版(→日本語版)に行ってみましょう。これだけの会社ですから、やっぱり一番充実しているのは、自社サイトです。


The New ASIMO has made great leaps forward from its predecessor. In fact, the New ASIMO can walk along with you (holding your hand if you wish), and features advanced mobility, to the extent that ASIMO can now move carts and other objects around at will.
新しいアシモは、これまで以上に大きな進歩を遂げました。実際、あなたとともに手をとって歩くことができます。しかも、その機動力は進化しており、カートを動かしたり、対象を思いのままに持ち歩いたりします。

And, with a newly developed total control system that controls all of ASIMO's functions, ASIMO can autonomously act as a receptionist, or even deliver drinks on a tray. The New ASIMO is also more agile than before, being able to run at 6km/h, and even turn whilst running.
新開発のトータルコントロールで、アシモは自発的に受付の仕事ができたり、飲み物をトレーに載せて運んだりできます。しかも動きは素早くなっており、倍のスピードと、走りながらの方向転換ができるようになっています。



同サイトには実に、様々な動作ができるようになっていますので、ひとつひとつ動画でご確認してみてください。

また、せっかく英語版をご覧になっているのですから、いち早くこのCMをご覧になってください。ローディングの時間はかかりますが、必見です。フル画面に広がります。題して、【 RUN/ 】です。なお、リンク先に行ってから、もう一度、真ん中辺りをクリックすることになります。これが見れれば、ちょっとはこの『夜明け前』に来てもらって良かったと思ってもらえるでしょう(笑)。





"run/" is Honda's new global corporate ad, featuring the newest ASIMO prototype. Since the first ASIMO developed in 2000, ASIMO has not only grown in popularity, but has grown in abilities.
"run/"は、新しいグローバル企業広告です。新型アシモの特長をよくとらえています。2000年に登場して以来、アシモは人気の面もさることながら、能力の面でも成長しました。

The new ability (running) coupled with humor is the key aim of Honda's global corporate advertisement. In the 60 second short movie “run,” ASIMO’s new function is portrayed through a race with an old gentleman at an airport moving walk.
ユニークさの備わった「走り」は、本田が世界に発信する<企業イメージの狙いでもあります。60秒CMで見せるアシモの新しい機能が、動く歩道にいる老人との競走を通して表現されています。

(以上、“run/”)―本田のグローバル広告サイトです


せっかくですから、アシモ博士になってお帰りください。以前にもご紹介した“How stuff works”のサイトには、アシモを解説した特設コーナーがあります。

子供でも分かるアシモの解説ですが、これがなかなか玄人好み。英語の表現にも幅が広がるというものです。


What is ASIMO? ―Honda's vision for ASIMO
     おもちゃでもない、娯楽でもない、人を助けるためのロボット。
ASIMO's Motion: Built Like a Human
     アシモの基本的な仕組みは、バランスを考え抜いたことです。
ASIMO's Motion: Walks Like a Human
     アシモの技術ももっとも重要な点はここです。
ASIMO's Motion: Smooth Moves
     本田の技術の真骨頂は、走り(動き)にあり?
ASIMO's Sight
      アシモが見た映像は、コンピューター画面に表示されます。
Controlling ASIMO
     操作方法は三種類もあったんです。
ASIMO's Power
     何分もつかご存知ですか。
ASIMO's Peers
     ソニー、富士通などにもお友達がいます。
ASIMO's Life Story ―The ASIMO Timeline
     本田のロボット開発は86年にさかのぼります。
(以上、How ASIMO Worksは、How stuff Worksのコーナーのひとつです)


人間型ロボットという次元から、「走れる」「働ける」という領域に飛び込んだASIMO。こうなると、人々の関心は、近いうち恐怖に変わってしまうのではないでしょうか。人とロボットとが、職をめぐる闘いをしているのかもしれません。

福井社長がおっしゃる通り、これからの10年で、ASIMOは大きな進化をとげるのだと思います。それならば、10年後の2015年には、どんな時代が待ち受けているのでしょうか。あるコメントをご紹介しましょう。



Robots in 2015

Robots in the workplace will be a very popular idea because they will eliminate labor costs.
職場でのロボットは当たり前になり、コストを低減させているはずです。

Let's say that, in 2015, one airline decides to completely automate the cockpit and eliminate its pilots. Since pilots are expensive, that airline will have a real price advantage over its competitors. That airline will also have far more scheduling flexibility because it will not have to worry about crew availability.
2015年はどうだろう。飛行機は完全に無人運転をして、パイロットは不要になっているかもしれない。パイロットは高くからね。飛行機はもっと過密ダイヤになっているかもよ。なぜなら、乗務員の体のことなんて考える必要がないから。

The complete elimination of pilots from the airline industry will take just a few years. The 66,000 pilots in the Air Line Pilots Association will be out of work. These pilots are people who have spent thousands and thousands of hours training in their chosen profession. They have high salaries as well -- up to $250,000 per year is not uncommon for a senior pilot flying commercial aircraft.
航空産業からパイロットがいなくなれば66000人が職にあぶれる。彼らには途方もない訓練時間がかかっていた。しかも高給とりだ。年間3000万円のヤツだっている。ベテランならね。

In 2015, at about the same time that the airlines are laying off all of their pilots, Wal-Mart or Target or some other large retailer will be introducing a totally automated inventory management system.
2015年っていうのは、航空産業がパイロットのクビを切ったのと同じように、ウォルマートやターゲット、その他大型小売店が完全自動在庫管理システムなんてのを導入しているんだよ、きっと。

(以上、Marshall Brainの“Robotic Nation”シリーズです)


そうなると、大変じゃないですか。雇用が。いかんいかん。ASIMO反対を訴えなくてはならない・・・???



When Ford started selling the Model T in 1909, the industrialized automotive industry was born. This new industry eventually created millions of new jobs.
フォードが量産車モバイルTをこの世に出した1909年、自動車産業が誕生したのさ。新しいこの産業は結果的には、次々と新しい職を増やした。

Why won't all the new companies that are making these robots create millions of new jobs in 2015? Why won't these new jobs absorb all of the unemployed pilots and service-sector employees? Think about it
どんな新しい産業でも、ロボットを作りつつ2015年には新しい職が生まれているはずさ。その新しい職が失業したパイロットやサービス部門の代替職を用意してくれるよ。



何とも楽観的なコメント、ありがとうございます。原文にはもっと詳細に書かれてありますので、ぜひ挑戦してみください。

僕が見届けるであろう21世紀のロボット像はどのようになっていくんでしょうね。楽しみです。



▼ASIMOに賞賛や感激の声が寄せられています。すごいですね。

「妙に人間臭い動きをする2足歩行ロボット・・バージョンアップ」(速報)
「Honda、時速6kmで走るASIMO発表」(ひそかに好きな“語ろ具”でも注目)
「“オフィスワーカー”の機能を一層強化」(就活開始?)
「なんか、80歳くらいのおじいちゃんが走ってるみたいで・・」(ガブガブザクリさん)
「びっくりしたのは人の手に引かれて一緒に歩く場面」(よくお気づきで!)
「今日からヤツは・・アシモたんです!萌え!萌え!」(読んでて噴き出してしまった)
「ホンダのセールスマンから聞いた話・・舞台の裏では上からヒモで吊るされ」
「激突リアルロボット・・ジェット機開発で培われたブースター技術が密かに」(・・Asimoです)
「中国産の近代ロボット『先行者』には足元も及ばない」(またこのネタ、笑)
「時速6キロ×24時間で144キロメートル」(丸山弁護士に代わるか)



Posted by cancheer 05:13 AM | 固定リンク
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ホンダさんのアシモがすごいなあ(^^;)
YahooNews時速6キロ、ジグザグ走行も ホンダのアシモが「進化」ジグザグに
「法務の国のろじゃあ」のサイトから
Posted at 2005.12.14 13:45
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